栄生のクリニック

07.12.10


新しい現場が始まりました。
この日に至るまで約2年かかりました。
建築基準法の改正も影響はしましたが、
例に漏れず今回もクライアントのご理解により、
多くの設計期間を十分に熟成させることができました。
本番はこれからです。
厚い期待と信頼にお応えできるよう
しっかりと現場監理をしていきたいと思います。
竣工は8月中旬です。


07.12.12


今日は建物の位置を決めるために
杭などを打つ作業をしました。


07.12.17

掘り方が始まりました。
この堀り方はこの後の地盤補強工事のために
表層約50cmの土を排出するのが目的です。


07.12.20


地盤補強工事が始まりました。
今回は地盤の性格を考慮し、
通常の表層改良だけではなく、
柱状改良を行ってからその上に表層改良を行う
というハイブリッドの地盤補強を採用しました。
数日は柱状改良工事を行います。


07.12.27


今回はベタ基礎の構造なので
写真のように地盤改良土で
基礎の底盤の形を作ります。

今年の工事はここまでです。
来年早々、捨てコンを打ちます。

みなさん良いお年を!


08.01.09


昨日、捨てコンクリートも終わり
午前中に墨出しをして、
午後から鉄筋の搬入です。
今回も鉄筋職人は、毎回ご指名の本間さんです。
必ず期待に応えてくれると思います。


08.01.12


基礎の鉄筋工事が進んでいます。
あまり他の手を入れないために
少人数での施工を希望したので
まだ2、3日かかりそうです。


08.01.15


基礎内に打ち込むための配管工事が始まりました。
今回も水工房(はうすキーパー改め)の矢野さんに
お願いしました。
今回は住宅と違い規模が大きいので
大変ですが、基本は同じです。
彼ならばきっと期待に応えてくれると思います。


08.01.18


昨日は構造設計の井上さんにも
チェックをしていただき
問題はありませんでした。
日のコン打ちに向けて
基礎の型枠が順調に進んでいます。
打ち込み配管などもほぼ完了しました。


08.01.19


今日は基礎のコンクリート打です。
今回は工期の問題もあり、普通コンクリートです。
配合は、設計強度Fc=300kg/m3
スランプ12cm、水セメント比47%です。
プラントの監理もまずまずで
見たところスランプ監理も問題ありませんでした。
後は打設監理が重要です。
再振動とタンピングを指示しました。


08.01.25


昨日から型枠の建て込みが始まりました。
2月中旬のコンクリート打まで
日に日に現場が進んでいくと思います。


08.01.31


間に雨の日が入りましたが順調に進んでいます。
今日は電気、空調、設備、鉄筋工事をしています。
それぞれ機能が複雑なので何度も
打合せをして今日に至っています。
私の仕事は、他の仕事とは比べものにならないくらい
厳しいらしく、今回始めての電気職人は
相当慎重に仕事をしていたので、
仕事としては合格をあげられると思いました。
でもなかなか完璧とはいかないものです。


08.02.08


工事も順調にすすみ、
2階の床スラブの鉄筋工事が始まります。
今日も鉄筋職人の本間さんが入ってくれています。
こんな大きな現場ですが、
「なるべく一人でやってね」とお願いしました。
他の職人が悪いという訳ではなく、
むしろ普通よりは良いと思いますが、
本間さんとは比べようがないので
いつも出来るかぎり一人でやってもらうことにしています。


08.02.11


世間は祝日でお休みですが、
現場はいつものように動いています。
今日は午前中ボイドスラブの
ボイド缶の搬入設置が行われました。

時々採用しますが、このボイドスラブは
床のコンクリートの量を減らしを軽くする
ことができ、かつ床スラブの剛性を高める
ことができるという利点があります。


08.02.14


今日はスラブの配筋検査です。
今回は構造の井上さんにも検査をしていただいています。
特殊な部分もあり、構造家の判断をお聞きしながら、
ダブルチェック体制をとっています。

一部補強の指示を頂きました。
おおむね問題なく終わりました。


08.02.16


今日は2階スラブのコンクリート打ちです。
いつもの住宅に比べれば、壁厚が厚いので
しっかり打ち込められるので安心です。

いつもの配合と再振動を入念に行いました。
これでも壁が長いので全くヘアークラック
をなくすのはなかなか難しいです。

80M3を昼過ぎに打ち終わりました。


08.02.27


コンクリート打設から10日ほど経ち
現場も順調に進み、
壁の鉄筋工事や電気などの設備工事も
昨日終わり、今日は大工さんだけが
現場で仕事をしています。
来週の土曜日にコンクリート打を
する予定なので
今週中に屋根の型枠まで
終わらせなければなりません。
大工さんも必死です。


08.03.04


順調に現場は進み、今日は予定通り
ボイド管の設置の日となりました。
明日はスラブの鉄筋工事が入り、
その後、電気工事等をします。

どうやら予定通り週末に
コンクリート打が出来そうです。


08.03.05



予定通り鉄筋工事をしています。
昨日設置したボイド缶が
きれいに並べられ、その上を覆うように
鉄筋が組まれています。

丸い筒はトップライトになる部分です。
2階は主にリハビリ室ですが
壁には窓がなく、このトップライトのみで
採光と換気を採るような設計になっています。

もちろん光の効果も狙っています。

この敷地は、幹線道路の角地に位置していて
とても分かりやすいところです。
建物のボリュームが分かるようになったので
道路を渡って反対側から写真を撮ってみました。

外観は真っ白な漆喰塗りです。
雑然とした町並みに、白鳥が舞い降りたような建物を
イメージしました。


08.03.08


今日予定通りコンクリート打を行いました。
天候もよく、構造もシンプルで壁も厚いので
比較的順調に進みました。
午前8時半から打ち始め、
昼食もとらずに打ち終わったのは
午後3時でした。

これで現場はしばらくはそれほど変化はなく、
コンクリートの強度が出る一ヶ月後から
再び本格的に始まります。
メインは木工事です。


08.03.15


今日は宮島くんの工房に行き
待ち合いなどの間仕切りになる
クルミの板を見に行きました。
一枚一枚木柄が違うので
その組み合わせを確認する必要があります。
あまり考えすぎると作為的になるし、
無造作はバランスが悪くなります。
その微妙な加減が難しいところです。
しっかりと確認し、適度なところで
帰ってきました。


08.03.25


以前木柄を確認した木間仕切りが順調に進んでいま
す。本来であれば、大工が現場で加工し組み立てて
いく仕事ですが仕上がりと精度は、いかなる大工も
家具職人の宮島くんには絶対にかなわないと思いま
す。そもそも大工と家具職人は、許される納まりの
精度が違います。家具は0,1mm前後、大工は0,5mm
前後で仕事をしています。といって大工の仕事が粗
いということではなく、現場で納める大工仕事には
限界があり、またその程度の精度が良いこともたく
さんあります。適仕事、適所が肝心です。


08.03.29



今日は玄関周りに使う栗材の検品に
北名古屋市の高尾木材まで行って来ました。
以前、「幡豆の家」の時にもお世話なった会長さん
に今回も相談していたのですが、やはり予算が合わ
ずに契約の段階では赤松にしたのですが、やっぱり
諦めきれずに赤松を注文前にもう一度会長が持って
いる栗を見たのが運の月で帰り道ではもう栗に決め
ていました。3倍近く予算オーバーですが、いつも
の癖で注文してしまいました。

栗は大変癖のある木で、伐採し大まかに製材してか
ら使えるようになるまでに最低で3年たいていは5
年以上かかります。だから管理する人しだいで良い
物にも悪い物にもなってしまいます。

会長は本当に栗が好きで、倉庫や土場に多くの栗材
を丁寧にストックしています。ただ置いてあるだけ
ではなく、数ヶ月に一度向きを変えたりして管理に
は手間がかかります。

会長が栗の話をするときは本当に楽しそうでこの人
は栗が好きなんだな〜というのが伝わってこちらも
楽しい気分になります。

だから材料も管理が行き届いたものばかりで検品も
スムーズにいきました。

ちなみに下の写真の背中の方が会長の高尾さんです。
もう80歳になろうという年齢ですが、数十キロの材
木をあっちに動かしたりこっちに動かしたり、とっ
てもパワフルです。


08.04.09


コンクリートの打設後4週間経ち週始めにサポート
も外れ、設備や電気空調の工事が始まりました。前
もって施工図で何度か打合せをしたので順調に進む
と思います。

明日はサッシ付けや左官の松田くんが塗り壁の下時
を塗りにきます。


08.04.16




5日ほど前から屋根では防水工事が始まっていまし
た。コンクリートの住宅では、防水をしたことは無
いですが、規模や高額な医療機器などのリスクを考
えて今回は防水をすることにしました。
コンクリートの上に断熱材を敷いてその上に遮熱仕
様のシート防水を採用しました。10分ほどいただ
けですが、反射で日焼けをしました。上の写真は、
細部のシートを接着しているところです。


中央の写真は下のリハビリ室です。床下の給排水や
空調設備の配管を行っています。この部屋は壁にあ
えて窓を設けなかったのでトップライトが効果的に
室内を照らしています。なかなか楽しいリハビリ室
になりそうです。

下の写真は、待合いです。
2階のリハビリ室と吹き抜けで
繋がっているのが分かります。
昨日、床暖房の配線工事も終わり、
週末のコンクリート打設を待つばかりです。


08.04.21


先日土間のコンクリートも無事打ち終わり、今日は
レベリングの打設です。約1cmの厚みで液体に近い
モルタルを床面に流します。ほぼ液体なので流すだ
けで水平で平滑な床面になります。1週間後には固
まり乾燥するので床を貼り始めます。


08.04.22


今日から外壁の断熱工事が始まりました。今回はコ
ンクリートの建築で始めて外断熱を行います。

3cmの発泡スチロールを樹脂モルタルで壁面に接着
しひび割れ対策のため、継ぎ目の処理などをし、そ
の上に再び種類の異なる樹脂モルタルを2度塗りま
す。

そして、その上に砂漆喰を塗り、漆喰で仕上げると
いう手間のかかる工程になります。

大変大きな面を平滑に目地無しで仕上げるためには
それなりの下準備が必要ですが、交通量も多く、振
動もあるので全くひび割れを無くす事は難しそうです。

しかし、大きな漆喰の壁は、まさに左官職人の腕の
見せ所で、彼らが誇りに思えるようなものにしたい
と思っています。


08.04.29



上は断熱材を貼っているところです。
順調に進み、明後日にはほぼ完了します。

下は2階のスタッフルームです。
2階の大工工事も順調に進み
床下地も残るところ、このスタッフルーム
だけになりました。
この写真でも完成時の光の具合が想像できます。

思ったよりも少し明るかったかもしれません。


08.04.30



いよいよエントランスの造作周りの取付の日になり
ました。一月前に高尾木材の会長からいただいた栗
材が加工を終えて、今日現場に取り付けられました。

灰汁、割れ、木柄などの打合せをして最善を尽くし
て、現場に運ばれてきました。

この栗の柱は20cm角長さ6M重さはおよそ200kgほ
どあります。大工、スタッフ合わせて7人で立ち上
げ取り付けました。

加工はほぼ完璧だったのでスムーズに組み立ても終
わり、梁や枠も付きました。

明日からフローリングも貼り始めます。


08.05.12


外壁の漆喰塗りの準備が順調に進んでいます。ここ
数日は、庇の見附や軒裏の下地塗りを行っています。
週の中頃からは仕上げの漆喰塗りを始めると思いま
す。

メインの大壁は来週になると思います。この大きさ
で全く継ぎ目も開口部ものない漆喰壁はこの地域で
はおそらく見ることはできないので完成時は圧倒的
な存在感になると期待しています。


08.05.16



いよいよ外壁を塗り始めました。日差しが強いので
乾燥を防ぐために足場にブルーシートを掛けました。
今日中に庇廻りは仕上げてしまう予定です。

室内では、宮島くんが3月頃から作り始めてくれた
木間仕切りも出来上がり、現場での取付が始まりま
した。精度の高い宮島くんの仕事に大工さんも緊張
気味でしばらくは現場でも1/10ミリ単位の仕事が続
きそうです。

この木間仕切りが完成するまでには来週いっぱいか
かりそうですが出来上がったらすごい迫力だろうな。


08.05.20


木間仕切りも順調に進み、
今日で大方建て付けが終わりそうです。
細かな部品や微調整は、今週いっぱいかかりそうです。

何せ1/10ミリの精度のものを現場で組み立てることは、
それほど簡単ではありません。
すべてが繋がっているので一カ所でも水平や
垂直が取れていないとうまく組み上がりません。
緊張感が漂う日が続きました。


08.05.23




いよいよ今日は外壁の漆喰塗りになりました。今日
は東面の一面だけですが、6人の左官で塗っていま
す。乾燥との追いかけっこなのでとにかくスピード
が勝負です。下塗りの砂漆喰も午前中で塗り終えて
午後からいよいよ仕上げの漆喰塗りです。表面を強
くするためにコテで何度も押さえて仕上げて行きま
す。

真ん中の写真は、下塗りの砂漆喰と漆喰です。既製
品とは違い、経験を生かした調合で前もって練り上
げたものを現場に搬入しています。この辺りは本当
の職人の仕事なので任せるしかありません。

すでに庇廻りは塗ってありますが、やはり漆喰はペ
ンキとは全く違います。写真だと分かりませんが、
実物は言葉では表せないリアリティーを持っていま
す。

室内は順調に大工工事が進んでいます。一昨日から
は、大工も増えて6〜7人で1階と2階に別れて仕
事を進めています。2階もフローリングはほぼ終わ
りました。


08.05.28




外壁の漆喰塗りが佳境を迎えています。職人が10人
で東面の大きな壁を一気に塗っています。目地や打継
ぎがないので大勢で一気に仕上げなければなりません。

昨日最大の見せ場の西面を終えているので
慣れてはいますが、程よい緊張感の中で
みんな楽しく仕事をしていました。

これだけの規模の漆喰壁はやっぱりすごい!
来週足場が外れるのが楽しみです。


08.06.03


今日足場を外しました。
全容が現れました。
決して美しいとはいえないこの地域に
全身真っ白な白鳥のような建物が加わりました。

まだまだよそ者ですが、この地域のランドマークに
なるのもそれほど遠いことではないかもしれません。


08.06.17


外装は駐輪場や広告塔を除きほぼ終わり
今月は内装工事が主な仕事です。
大工仕事は順調に進み、今週中でほぼ完了します。

内装は壁、天井と珪藻土塗りが
かなりの面積があるので
大工仕事の進み具合を見て
時々、下塗りや目地処理の段取りをしていましたが、
いよいよ本格的に塗り仕事が始まりました。

写真はトップライト廻りですが、
今日明日でほぼ天井の下塗りは終えるので
今週中には一気に一日で
仕上げ塗りをする予定でいます。


08.07.01


現場は先月中旬に山場の大工工事がほぼ完了し、こ
こ1、2週間は内装の左官工事です。それも来週中
には完了します。来週からは外構や塗装工事、機器
の取付などが始まります。

今日は、宮島くんの工房に待合いに置く
ベンチの仮組みの確認に来ました。
クリニックのために大小2種類デザインしました。
座面は黒の革張りになります。
木部は、アメリカンブラックチェリーです。


08.07.09


待合いの吹き抜けに吊るすペンダントを
金森くんにお願いしていました。
巾6cm、高さ8cm、長さ5M
厚さ10mmの銅板で作ってもらいました。

今日は最後の仕上げの打合せにきました。
10円玉のような感じに近づけることに
決着しました。

何せ長いので制作時には反りを直すのに苦労し
仕上げにはムラを調整するのに苦労したようです。

銅板の厚みと材質による存在感に期待し、
あえてデザインといえるほどのものは
全く施しませんでした。

目立たずに密やかで強烈な存在感は
いつも私が求めるところです。


08.07.17



今週に入り、室内では設備機器の取り付けが始まり、
今週中にはほぼ完了予定です。
今日からは本格的に樋口くんが入り、
木建具の取付を行っています。

来週からはクリーニングが主な仕事になってきます。

外は今日、駐車場や玄関周りのコンクリート打です。

いよいよ完成度が上がってきました。


08.07.18


再び宮島くんの工房に来ました。
以前より打合せしていたベンチが出来上がりました。

座面の厚さ、取付け位置、
縫製の仕方について検討をしました。

いずれにしても数ミリの調整ですが、これがなかなか
難しく、印象が大分違ってしまいます。

でもとっても楽しい時間です。

今日の変更でどうやらオープンハウスには
間に合いそうもありません


08.07.23



ついに桜井くんの登場となりました。
外回りの植栽です。
いつもは郊外の自然の多いところばかりなので
今回は始めてのケースです。
彼がどんな植栽をするのか楽しみです。
スケッチの案を見た限りでは、
いつになくシャープでモダンな感じです。

下は駐輪場や広告塔の壁仕上げに
再び松田くんたち左官さんの登場です。
今日は下塗りの砂漆喰塗りです。
明日には両方とも仕上げる予定です。

明日で長かった左官仕事も一応きりがつきます。

本当にご苦労様でした。スペシャルな技と仕事を存
分に見させていただきました。


08.07.25


明日はいよいよオープンハウス。
クリーニングもおおかた終わり、
今日は宮島くんとそのスタッフが
木間仕切りのワックスがけと
先日から打ち合わせていたベンチを
無理いって間に合わせてもらい、
今日持ってきてくれました。

まだ修行中のスタッフは、
それなりに勉強になったのではないでしょうか。


08.07.28

先日、無事オープンハウスを終えることが出来ました。
竣工日時が決められているものは、普段あまりやらない
ので、いつもと違う緊張感もありましたが、岡本建設の
水野くんを始め、多くの職人さんのおかげで余裕を持っ
て完成することが出来ました。また、クライアントのご
理解もあって、2年ほどの打合せ期間と1年にも及ぶ設
計期間いただいたのも幸いしたと思います。オープンハ
ウスを終え、厳しくて楽しかったこの仕事もひとつの区
切りを迎え、週末には引渡しを行います。ちなみに8月
末にはクリニックの内覧会を行いますので今回オープン
ハウスに来られなかった方は、内覧会にお越し下さい。

「はやしクリニック」もよろしくおねがいします。

長い間、このページを見て頂きありがとうございました。